キスはおとなの現実の【完】
「こんにちは。昨日はおつかれさまでした」

ばれてしまってはしかたない。
気をとりなおしてあいさつをする。

いちおう笑顔をつくったが、眉毛すらも描いてきてない今のわたしはどんな表情になっているのだろうか。
すっぴんの顔では心を見透かされているような疑心暗鬼におちいるうえ、昨日のアルバイト店員の女の子のようにちゃんと笑えていない気がして、恥ずかしい。
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