普通恋愛結婚
大好きやから、こうちんには味方になってもらいたいのさ。

「香美は杏里に優しすぎるで~??」

裕があたしをからかうようにして見てきた。

裕は、なにかしらあると、意地悪をしてきやがる。

「別にあたしは誰にでも優しいからな?」

こうちんが言った。こういうことを冗談で言ってくるこうちんが大好きなんだ。

「「杏里ちゃーん♪」」

廊下からうちの名前を呼ぶ声がする。

こうちんとイチャイチャしてるっていうのに…。

「はい?」

うちわ名前の呼ばれる方に向かった。

相手わ…

「杏里ちゃんかわいっ♪」

うちをからかう林亮也。

亮也とは中学から一緒で、まあ中学のときは荒れていた。

髪の毛は染めて学校に来ていたし、うちのいた中学の番長的存在。

顔とか…まあタイプやないけど、流行りの細マッチョな体に、整った顔。

まあまあモテるよね。

でも、そんな亮也は別世界の人間やった。

中学のときなんて、一言も話してないし。

いわゆる、「あっち系」と呼ばれる不良軍団やった。

「杏里ちゃん、彼氏いないよね?」

「あぁ…うん…まあ。」

なんでこんなこと、いちいち聞いてくるんやろう。

「俺と付き合わない??」

……。

呆気にとられてしまって言葉がしばらく出てこなかった。

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