キミだけ、*
001 :: 『 桜舞う季節に 』
「 なち可愛い! 」
「 何それ、どこで買ったの? 」
「 ふぁんしーわーるどって
ところだよ!今度一緒に
行こうね! 」
「 勿論だよっ 」
女子同士が褒め
合って、一緒に
買い物の約束を
したりと、平穏な
空気が流れるここ、
桜ヶ丘中学校1年3組に、
あたし、花澤桃がいます。
「 おはよ、桃! 」
「 あっ、愛理おはよう! 」
「 今日はどうしたの?
桃、なんか沈んでない? 」
「 いや、何でもない… 」
こっちに居るのは、
親友の咲原愛理。
幼稚園の頃からの
幼馴染で、いつも
もう一人の[ あいつ ]
も入れて、3人で
一緒に行動してたなあ、
ってよく思い出す。
「 ほんとに~?
なんか今日の桃怪しい 」
「 ほんとに
何でもないんだってー… 」