本当の
1.
☆陽和★
『ふわぁぁぁぁ』
朝からとまらないあくび
昨日は本の続きが気になってつい最後まで呼んでしまった。
今日は高校の入学式
真新しい制服に袖を通し自分の姿を見てみる。
『うん! なかなか似合ってる。』
ナルシなわけではない。
今日から通う 桜稟高校 は制服が可愛いからと評判がいい。
私は近いからという理由でこの学校にした。
そろそろ時間だし、行くか!
今年から一人暮らしを始めたため、時間を言ってくれる家族がいないのは不便だ。
『いってきまーす』
通学路には満開の桜が咲いている。
歩いて五分ほどで学校に到着。
かなり近い。
はずだった
『お嬢さん、悪いけど違う道通ってね。』
学校への近道がまさかの工場中だった。
他の道は学校まで20分もかかる。
入学式まで残り10分。
走っても絶対に間に合わない。
っという事は遅刻!?
『どうしてもここ通らなきゃいけないんです!』
っと挑戦したものの、即答で断られてしまった。
すると、
『ブーン』
バイクの音が聞こえた。
普通に通り過ぎて行くと思いきや、
『お前1年だろ。遅刻するから乗れ。』
同じく1年だと思う。
かなりのイケメンが話しかけてきた。
『え!でも悪いし。』
『早くしろ。俺まで遅れるだろ。』
私の言葉は消し去られ、しぶしぶ乗ることにした。
『とばすからちゃんと掴まれ。』
ブレザーの裾を掴んでいた手を掴まれバイクの男の子の腰を掴まされた。
(恥ずかしいー。)
っと思ってるのもつかの間。
バイクはすごいスピードで走り、(かなり怖い)3分もかからずに学校に着いた。
『ほら。ついたぞ。』
『あ、ありがとう。』
っと言い終わる前に彼は走り去って行った。(駐輪場へ。)
あっ! 早くしないと遅刻だ。
私は足早にクラスが張り出されている掲示板へと向かった。