一番外側



大体いつも、私からの質問で会話は始まる。



そのたび一成さんは、あ とか うぅ とかよくわからない相づちを入れる



いつも話題をさがしては一成さんに話しかける私に



「なんで俺なの?」



と聞く




「なんでって、何でですか?」


「俺、おっさんじゃん。
あんた大学生だろ?」



「それは表の話です。
私はあなたの中身が知りたい」



「…ひとに中身も見せずに生きてきた人間がよく言うよ。
ただの皮とか殻じゃない。
あんたのはダチョウの卵みたいだ」




一成さんは私のことを、硬い殻で自分の身を守っているダチョウのようだといった



< 10 / 15 >

この作品をシェア

pagetop