藍色の城
ほんの数秒のキス。
真っ赤になって俯く。
『村上…。』
もう一度したいんだけど…。
『え…?』
再びボクは村上の唇を塞いだ。
さっきより、更に深く。
仰け反る村上の身体を支えて
舌を絡ませた。
『あー!チュウしてるー!』
突然近くで子供たちの声が聞こえて
慌てて身体を離した。
自転車で数人ケラケラ笑いながら
走り去っていく。
近所の子供たちなんだろう。
『あのガキども……』
いいところで邪魔しやがって…。
ボクと村上は目が合って
一瞬間があいたけど、
どちらからともなく笑い合った。