藍色の城
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『へ、部屋暑くない?』
『え?うん。ちょうどいいけど?』
いつもよりぎこちなくて、
動きがガチガチな村上。
『そ、そっか。』
久しぶりに訪れた村上の部屋。
あ、いけない。
ボクは付き合い出してからは
ちゃんと「莉緒」って呼ぶ
ようにしたんだった。
授業は午前中で終わって
今帰って来たとこ。
部屋で二人きり。
アイスレモンティーを
飲んで目が合う。
親も誰もいない家に彼氏連れて
来るってねぇ……。
ボクだって狼になるんだぞ?
莉緒ちゃん?
座布団を自分の隣に敷いて
ポンポン叩いた。
こっちにおいで、の合図。
素直に隣に座る莉緒の横顔は
リンゴより真っ赤だ。