藍色の城



そう言うボクの髪を撫でて
ふふふと嬉しそうに笑った。



『どうしたの?』



『やった~!昊と初体験。』



疲れ果てたボクの隣で
莉緒はニコニコしてる。
ボクたちは今日、繋がった。



長い長い、回り道をさせた。
これからはボクが莉緒を
追いかけるから。
だから、絶対離さないからな。



余韻はしばらく続く。
腕の中で恥ずかしそうに
笑う顔。
髪にキスを落として、
まぶたにキス。
唇にキス。



ずっとずっとボクのそばに居て。



その後オバサンが
帰って来た音がして
慌てて服を着出す
ボクたちの動きは
まるでコントのようで、
お互い吹き出した。



『アハハ!昊~!お邪魔してますって
 声裏返ってるしー!!』



『莉緒だって俺のTシャツ着かけた
 じゃん!』



久しぶりに腹を抱えて笑った。
莉緒と居ると、笑いが絶えないな。








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