藍色の城



そう言いながら女性用のパジャマを
つまんでボクに見せる。


『バカ。そんなわけないだろ。
 もっと中見たら?』



『え…?』



ボクが勝手に用意して
詰め込んだだけなんだけどね。



歯ブラシ・コップ、
莉緒が使っていた化粧品一式、
莉緒が欲しがっていたマイナスイオン
が出るドライヤー、
いつも見てた料理本の最新刊、
お揃いで使う食器。



次々出てくるアイテムに
素でびっくりしてる莉緒を見て、
ボクは爆笑しながら
広いバルコニーへと移った。



その顔が見たかったんだよな。



澄み切った蒼空を見上げて
大きな伸びをした。



ダンボールの一番底に入れた
藍色の封筒。
それを手に取り中を開けるのを
確認して、ポケットに隠してる
永久の誓いを握りしめた。



ボクの元に駆けてきた莉緒。



『昊……!』









< 118 / 121 >

この作品をシェア

pagetop