藍色の城
そう言いながら女性用のパジャマを
つまんでボクに見せる。
『バカ。そんなわけないだろ。
もっと中見たら?』
『え…?』
ボクが勝手に用意して
詰め込んだだけなんだけどね。
歯ブラシ・コップ、
莉緒が使っていた化粧品一式、
莉緒が欲しがっていたマイナスイオン
が出るドライヤー、
いつも見てた料理本の最新刊、
お揃いで使う食器。
次々出てくるアイテムに
素でびっくりしてる莉緒を見て、
ボクは爆笑しながら
広いバルコニーへと移った。
その顔が見たかったんだよな。
澄み切った蒼空を見上げて
大きな伸びをした。
ダンボールの一番底に入れた
藍色の封筒。
それを手に取り中を開けるのを
確認して、ポケットに隠してる
永久の誓いを握りしめた。
ボクの元に駆けてきた莉緒。
『昊……!』