藍色の城
『ん?どうしたの?』
『コレ……本気なの?』
中に入れた便箋にたった一行の文字。
(今日から一緒に暮らさないか?)
『後の荷物は車で運ぶよ。』
ジワッと溢れ出る涙が大きな瞳の
中で揺れてる。
『莉緒…?足りないモノはまた二人で
買いに行こう?それと、同棲する件
は、ご両親は了承済みだから。』
『は!?なんで?いつ?』
それは教えない♪
ボクが一年かけて頼み込んだこと
なんて言うもんか。
『あ、あともう一つ。』
ボクはモゾモゾしながら小さな箱を
目の前で開けた。
安もんだけど、今はこれで許してね?
次の記念日までにまた頑張るから。
『手、出して。』