藍色の城



ゆっくりと前に出された左手。
まだ、前にプレゼントした
ペアリングが光ってる。



『これは今日でおしまい。』
ペアリングを外して、新しい指輪を
薬指にはめる。



指輪とボクを交互に見て、
やっぱり莉緒は泣いちゃった。



『莉緒…。結婚しよっか?』



爽やかな風が吹き抜ける。



『もう、莉緒じゃないとダメなんだ。
 ボクは。』



ねぇ、ちゃんと聴いて覚えていてね。
恥ずかしくて何回も言わないから。



『莉緒…。愛してるよ。』



ボクたちはまだ、始まったばかり。
これから色んなことを経験して
乗り越えていくんだよ。



その時はずっと、隣で笑っていてね。



ボクが一生かけて守るから。



だから、この手を離すなよ─────














【 完 】













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