藍色の城



初めて見た、陽の家族。
優しく受け入れてくれた両親。
残念ながら弟のコウくんは
バスケの試合で夜遅くなるとの
ことで、4人での食事。



緊張しながらも会話ははずみ、
難なくクリア出来たと思う。
帰りの車の中で
『また逢ってやってね』と
恥ずかしそうに言う陽に微笑んだ。



重ねる唇も身体も
陽の全てを感じているのに、
これほど愛しく想っているのに、
どこで道を間違えたんだろう。



優しすぎる陽の、
当たり前のように
愛してくれる陽の、
どこに不満を
感じていたの…!?



全ては自分が引き起こして
周りを傷付けたのに、
まだそばに居る私は……



罪ですか……!?



もう二度と戻らない時間を
後悔してるわけじゃない。



偽った自分で居るのがこんなに
苦しいなんて、初めて知ったよ……。



だけど私には、
その手が必要でした。
弱さを強さに変える術は
その手でした。



『はぁ!?有り得ないっしょ!!』って
散々言ってた自分が、
浮気にはしるなんて考えてもなかった。
その浮気が、
本気になることさえも……。











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