藍色の城
そんな私の理念を覆される日が
くるなんて思ってもなかったけど、
ホント悔しいくらい、
あっけなく心を奪われたんだよね。
一目惚れって自分はしないタイプ
なんだって思ってた。
2回目に配属されたお店で、
しかも閉店間際に、
そう…まさにopenをcloseに
変えようとした矢先。
伸ばした手を横から掴まれて
『もうダメですか…!?』と
スーツ姿の切れ長な目に言われた。
びっくりして『ひゃっ!!』って
変な声出しちゃったけど
見た目はちょっとチャラそうな
感じなのに、見つめられた
その目から動けない自分が居た。
数秒間経って、もう一度
『あの…
カット、してもらえませんか?』
と言われた時、慌てて
『すみません。もう閉店なんで』
と頭を下げた。
『そうですよね~会社終わって
ダッシュで来ても間に合わないか。』