藍色の城
『ごめん…』と謝るキミに、
『私こそ…ごめん』と言った。
キミをこんなふうにさせて
ごめんなさい…。
何のしがらみもなければ、
キミを拒絶することはなかった。
ゆっくりと立ち上がって
かすれた声でキミは
私に想いをぶつけてくれた。
『ボクは咲妃さんが好きです。』
いつかは聞きたかったその言葉。
今となってはあまりにも
切なく哀しい言葉に愕然とする。
返事を待たんとして、キミは
出て行った。
私だけを残して……。