藍色の城



『河島さん、また…来てますよ?』



閉店後に店の前で待つ陽の姿。



後輩がそっと教えてくれる。



『寒い中待ってくれてますから
早く仲直りしてくださいね?』



小さな溜め息が出た。
急いで支度をし、店を出る。



『いつからストーカーになったの?』



陽の元へ歩み寄り低い声で言う。



『咲妃…話がしたいんだ。』



捨て犬みたいに私を見る。



ポケットの中からキーホルダーを
取り出し、合い鍵を外して渡した。



『もう必要ないから。じゃあ。』



言うだけ言ってスタスタ歩き出す。
当然、陽は追いかけて来て。









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