藍色の城
『待って!話をしよう?』
『話すことなんてない。』
『俺があるんだよ。』
『お願いだからついて来ないで。』
『咲妃…っ!!』
駅を通ってから細い道に入る。
人混みに紛れたら私たちの会話は
途切れる。
振り向くこともなく足を進めた。
今はまだ、気持ちに整理がつかない。
『俺は咲妃が好きだ…!!』
突然、後ろの方で声がして足が止まる。
『咲妃しか居ないしずっとそばに
居てほしい…!!』
駅へ向かう人混みの中で
響き渡る声に
振り返って見てる人も居る。
思わず私も振り返った。
『話聞いてくれないんなら、
ここで言うぞ…!!』