藍色の城
え…!?
ちょっと待ってよ。
みんな見てるじゃん。
『俺が好きなのは咲妃なんだ!!
それだけは信じてほしい…!!』
枯れるほどの声を振り絞る陽に
向かって駆け寄った。
『バカじゃないの!?恥ずかしい
からやめてよね!!』
『俺は恥ずかしくないぞ!!
みんなに聞こえる声でも言える!!』
陽ってこんな子供っぽかったっけ!?
話にならないと思い、手を引っ張り
歩き出す。
他人の視線が痛くて仕方ない。
細い道を通り抜けて、
自分のマンションに連れて帰った。
『バカ…子供じゃないんだから。』
『だって、咲妃全然聞いてくれ
ないじゃん…。』
『だからってあんなことする!?』