藍色の城
ドライブデート中。
♪♪♪~♪
陽の携帯が鳴り、イヤホンを
差して通話し出した。
──あ?母さん?どしたんだよ。え?
お~良かったじゃん。これで一安心
だな。あ、じゃあ今度みんなで
お祝いしようぜ。うん…あぁ。
じゃあ咲妃も連れて行くから。
一方的に喋って電話は切った。
頭の上が???な私に陽は
ハンドルをきりながら
『弟の昊がね、第一志望に受かった
ってさ。』と笑顔で言った。
『え…!?』
頬の筋肉がピクリと痙攣した
気がした。
『あーぁ、俺よりレベル高いとこ
入りやがった。兄貴のメンツ丸潰れ。』
苦笑する陽の隣で必死に動揺を隠す。
『咲妃も来るだろ?実は…親がまた
逢いたがってんだよ。』
『ん……うん。』