藍色の城
一瞬、驚いた顔は、
すぐに私の腕を掴んで走り出した。
キミに引っ張られる腕、
ちっとも嫌じゃなかったよ……。
少し走って、公園のベンチに
たどり着いた。
泣いてる理由なんて言えないよ。
キミに言える資格もない。
ずっと気になってた…。
キミが私を好きだと言ってくれたこと
すごく嬉しかった。
でも応えちゃいけないって思って。
大学進学おめでとう。
ただそれを伝えたくてこの前
逢いに行ったの。
でも逢いに行かなきゃよかったね。
苦しかったよね…。
勝手すぎる私を許してね。
僅かな期待を胸に抱いてここに
来た私を許して。
泣くつもりなんてなかったのに。
『逢いたいなんて簡単に言うな。
兄貴と結婚するんだろ?だったら
これからは兄貴を見ればいい。』
キミの一言一言が
荒んだ心を斬りつけていく。