藍色の城



結婚するなら陽だって思ってた。
優しくて、温かくて、
いずれ結婚して子供を産んで、
幸せな家庭を築くんだろうって。



パパになったら
絶対子煩悩になって、デレデレしてて
結局私がどっちも叱りつけたりしてる
んだろうなって……。



陽との未来はキラキラしてて
私には眩しいほどに輝いていたよ。
誰が見ても、
私たちの未来は約束されていたの。



だけど私は選ばなかった。



用意された幸せよりも、
自らリスクの高い道を選んでいた。



私の愛した人は



あなたの血の繋がった実の弟……。



許されない道を選んで



今、あなたを絶ちきった。



わかってる。



全てを失うことくらい。



悪魔が隣で囁いている。




【モウジキバツヲアタエヨウ───】














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