藍色の城
平凡な幸せと優しさの中で
狂おしいほどの愛を知り、
自ら落ちぶれて
結局全てを傷付けた。
ないものねだりをいつまで
続けていくのだろう。
醜い本心はやがて自分さえ
首を絞める。
もう後戻りは出来ない。
現実を受け止めなきゃならない。
何を言っても、
どんなにもっともらしい言葉を
並べても、
言い訳にしか聞こえない。
それも全部覚悟する。
でも、どんなに非難されようと、
私はこの子を、産みたいって思う。
この手で抱いてあげたい。
そう思う私は……罪ですか?
正直、陽に別れ話を切り出した時、
目の前で泣く陽を見て、
遠くの方でもう一人の自分に
「何やってんの?別れられんの?
失うんだよ?耐えれる?どこが
嫌いなの?自分が離れられんの?」
と言われた気がした。
でも口は止まんなくて
『好きな人が居る』と言った。