藍色の城
心ではまだ全然、陽に対して嫌いに
なれていないのに……
ふと、別れなきゃ別れなきゃって
焦ってるだけの自分に気が付いたの。
どうして今まで
陽と離れられなかったのか。
どうして今まで
陰でコウくんとの関係を続けたのか。
二人に甘えてたと言えばそれで
終わってしまうけど、
私の中で、陽との恋愛は全く
終わっていなかったわけで、
傷付いて弱っているところに
コウくんの優しさに触れてしまった。
ううん、自分からね。
スリリングな関係と例えようのない
快楽に溺れていく身体。
止めることが出来なかった。
いつしか私の中で
バレなければいいと思い始めてた。
どっぷりと浸かった藍色の世界で
色んなモノが麻痺していく。
歪んだ迷路から抜け出すことは
出来ない。
いつまでこんなこと続けんだろうって
自分でも気付いてる。
でも、抜け出せない世界が私を解放
してくれない。