藍色の城
私の元を去っていった陽の、
飲んでいたコップ、
洗濯物、お揃いのパジャマ、
2つ並んだ歯ブラシ。
段々増え始めたCD。
メンズファッション誌。
二人で交互に使う充電器。
専用のマウス。
お揃いのコロン。
座ってたクッションも
食器もスリッパも
その全部が、
ホントはすごく愛しいんだって
今になって気付く私は
救いようのない人間で……。
失えるはずがない愚かな自分に
どうしようもない自分に
進むべき道は見えなかった。
矛盾してる。
理屈じゃモノは言えない。
何が正しいとか間違っているとか
私にはわからない。
正しい答えを突きつけられても、
きっと私は『NO』と答えるだろう。
私の答えが間違ってると言われても
私は否定も肯定もしない。
ただありのままの私の言葉で
ちゃんと伝えなきゃいけないことは
まだまだあるから。