藍色の城



私の元を去っていった陽の、
飲んでいたコップ、
洗濯物、お揃いのパジャマ、
2つ並んだ歯ブラシ。



段々増え始めたCD。
メンズファッション誌。
二人で交互に使う充電器。
専用のマウス。
お揃いのコロン。



座ってたクッションも
食器もスリッパも



その全部が、
ホントはすごく愛しいんだって
今になって気付く私は
救いようのない人間で……。



失えるはずがない愚かな自分に
どうしようもない自分に
進むべき道は見えなかった。



矛盾してる。



理屈じゃモノは言えない。



何が正しいとか間違っているとか
私にはわからない。



正しい答えを突きつけられても、
きっと私は『NO』と答えるだろう。



私の答えが間違ってると言われても
私は否定も肯定もしない。



ただありのままの私の言葉で
ちゃんと伝えなきゃいけないことは
まだまだあるから。














< 84 / 121 >

この作品をシェア

pagetop