藍色の城



『……お腹に、赤ちゃんがいる。』



薄暗い待合室。
大雨の中、ピカッと空は光って
すぐに音が鳴り、近くに落ちた。



『……コウくんじゃないの。』



『……何言ってるの?ボクにだって
可能性はあるだろ…?』



可能性は……ない。



『……陽とは避妊してなかったから。』



『え…?』



私の手を握っていた手が
離れていく。



コウくんはちゃんと話をしようと
言った。
こんな私を幸せにするとまで…。



『幸せに…してもらぅ権利なんて
ないよぉ…。』



ごめんなさい。
ごめんなさい、ごめんなさい……。



私はキミを幸せには出来ない。
もう縛り付けてはいけないの……。









< 85 / 121 >

この作品をシェア

pagetop