藍色の城
『……お腹に、赤ちゃんがいる。』
薄暗い待合室。
大雨の中、ピカッと空は光って
すぐに音が鳴り、近くに落ちた。
『……コウくんじゃないの。』
『……何言ってるの?ボクにだって
可能性はあるだろ…?』
可能性は……ない。
『……陽とは避妊してなかったから。』
『え…?』
私の手を握っていた手が
離れていく。
コウくんはちゃんと話をしようと
言った。
こんな私を幸せにするとまで…。
『幸せに…してもらぅ権利なんて
ないよぉ…。』
ごめんなさい。
ごめんなさい、ごめんなさい……。
私はキミを幸せには出来ない。
もう縛り付けてはいけないの……。