藍色の城



『陽……!!ねぇ、陽…!!』



繋がれた心電図。
低下していく心音。



ねぇ、まだ伝えてないよ。
起きて話をしようよ。
こんなのってないよ。
逝かないで…!!



必死に叫ぶ中、
私とお母さんを払いのけた
キミは泣きながら
代わりに叫んでくれたね。



『おい、兄貴…!!寝てる場合じゃ
ねーぞ。一生守っていくんだろ?
あれはウソか…?何があっても
守るって…自分には咲妃しかいな
いってボクに言ったのはウソか!!
おい…!!何とか言えよ…!!』



無理やり離されたキミは何度も
兄貴と叫んで声が枯れてた。



『いいから戻って来い!!簡単に
逝ったら承知しねーからな!!父親
になんだぞ…!!胸張って抱き上げ
てやれよ…!!てめぇにしか出来な
いことだろ…!!』



涙で視界がぐちゃぐちゃになった。



その後の医師と看護士の懸命な処置
のおかげで峠は越えた。
正常な数値に戻った。









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