藍色の城
【砂の城】
何度となく日は落ちて、また昇る。
昏睡状態のまま一週間を過ぎ
ようとしている。
『お腹の中に…彼の子供がいます。』
両親にそう伝えると泣いて
喜んでくれた。
身体を気遣ってくれる。
『少し休みなよ』とコウくんも
言ってくれた。
少し仮眠を取ったけど、
何だか胸騒ぎがして、またすぐに
病院へ駆けつけた。
機材の一定音に囲まれて眠る
陽に何の変化もない。
私はいつも手を握って体温を
感じている。
陽……。
たくさん傷付けてごめんね。
たった一度の浮気なんて、
ホントはとっくに許してた。
裏切ってたのは私の方。
許して…もらえないよね。
許してもらえなくても、
そばにいたらダメかな…?
陽がもし、まだ私の隣に
居てくれるなら
これから先もそれに応えて
いきたい。