藍色の城



陽もまた、
涙を流し喜んでくれている。



『ありがとう…許してくれて
ありがとう。』



許すとか、そんなんじゃない。
そんな言葉、もらえる資格はない。



『ここに…赤ちゃんいるよ。
陽の子供だよ。』



目を見開いて驚きながらすぐに
視線を落とした。



『ごめん…。あの時のだよな。』



レイプまがいのことを差してるんだろう。



『ううん、
その前から出来てたみたい。』



ギュッと手を握り返し、真剣な
眼差しを向ける。
この顔が、一番好きだ。



『咲妃。俺頑張って復帰するから
退院したら結婚しよう。』



手からも緊張が震えから伝わって
泣きながら笑った。



『私の方こそ、結婚してください。
お願いします。』


 
お互い照れながら、しばらく
笑いあっていた。












< 93 / 121 >

この作品をシェア

pagetop