藍色の城
陽もまた、
涙を流し喜んでくれている。
『ありがとう…許してくれて
ありがとう。』
許すとか、そんなんじゃない。
そんな言葉、もらえる資格はない。
『ここに…赤ちゃんいるよ。
陽の子供だよ。』
目を見開いて驚きながらすぐに
視線を落とした。
『ごめん…。あの時のだよな。』
レイプまがいのことを差してるんだろう。
『ううん、
その前から出来てたみたい。』
ギュッと手を握り返し、真剣な
眼差しを向ける。
この顔が、一番好きだ。
『咲妃。俺頑張って復帰するから
退院したら結婚しよう。』
手からも緊張が震えから伝わって
泣きながら笑った。
『私の方こそ、結婚してください。
お願いします。』
お互い照れながら、しばらく
笑いあっていた。