藍色の城
そんな矢先、コウくんは私に
3つの約束を託してくれた。
『もう、ボクを見ても悲しい顔は
するな。』
『泣くのも今日で最後だ。』
『ボクたちのことは、一生口に
するな。』
私はその優しさに、甘えていいの…?
最後の最後で気持ちを組んでくれと
言うコウくん。
それは最後まで二人の約束だと。
二人で初めて交わした約束を
最後まで守り続けるの。
残された道はひとつだから。
会話の最後で、コウくんも泣いた。
でもこれで最後。
もう泣いちゃいけない。
笑い合える日を願って、
言葉には出さないサヨナラを
私たちはそれぞれに交わした。
『咲妃さん……ありがとう。
兄貴と……幸せに。』
この言葉を一生忘れないよ。
コウくん、私こそありがとう。
かけがえのない時間を。
かけがえのない愛を。
キミを愛した時間は、宝物です。
本当に、ありがとう。