藍色の城



それから少しして、
2350グラムの元気な男の子を
産みました。



朦朧とした意識の中で
高らかに産声をあげて泣くあなたを
胸の上で抱きしめた時、
温かい涙が溢れた。



私の元に産まれてきてくれて
ありがとう。
私を母親に選んでくれて
ありがとう。
無償の愛と喜びを噛みしめて
あなたに「慶(ケイ)」と
名付けました。



パパが一生懸命考えてくれたんだよ。
ママがほとんど却下してたのは
お腹の中で聴いてたと思うけど(笑)。



そんなパパはあなたに逢えて
うるさいくらい泣いてるね。



あなたは谷原家の初孫なんだよ。



おじいちゃんおばあちゃんも
泣いてるね。
みんなあなたが産まれてきたこと、
喜んでくれてるよ。



ほら、コウくんも……



『お疲れさま。』



そう言ってくれたコウくんに
寝そべりながら、Vサインしたっけ。







 




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