ラブファクトリー


それから月日が過ぎ、学校で毎年行われている行事が今年もやってきた。


クラスで出し物を考え制作し、学校全体で出し物を行う大きな行事だった。


交代で、休憩時間に班員で出し物巡りをする事になった私たち。

君とは、また隣の席になっていた。



「ねえ、これ行こうよ」


提案されたのは、お化け屋敷。

男子たちが組になって先に行き、私たちは女の子同士腕を組み合って、恐る恐る中へと進んでいった。


「きゃー!!」

周りから聞こえる悲鳴に、怖さが倍増される。


と、真っ暗闇の中で、突然スポットライトと共におもちゃの生首が目の前に飛び出してきた。


「きゃああああ!!」


頭が真っ白になった私の手を、突然強く別の方向から引っ張られる。

「こっちだ!」

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