ラブファクトリー
訳も分からず、引っ張られるままに私はその腕についていった。
顔を上げた時の君の後ろ姿がかっこよくて、恐怖なんて吹きとんで。
こんな、ドラマみたいな事あるんだって、初めて夢を見た。
周りの音が聞こえなくなって、ただ、君の手の感触だけが現実なんだと言っていた。
お化け屋敷を出たあと、乱れる気持ちが数秒続いた。
お礼、言わなきゃ。
顔を上げた時、おちゃらけた男子が乱入してきて、私は何も言う事が出来なかった。
歩きだした君の後ろ姿に、小さくありがとうと呟いた。