ラブファクトリー
夜の闇の中、俺は電車から降りたコンビニでいつもの夜食を買う。
一個130円の、ツナマヨおにぎり。
小さなビニール袋を下げて、疲れた体を引きずるようにマンションへと向かう。
くそっ。
あの社長、これでもかってぐらい、こきつかいやがって。
肩の骨を鳴らすと、パキッと静かな道沿いに響いた。
にゃー
どこかで、猫の鳴き声がする。
ああ、あいつの顔が浮かんだ。
きっと、腹空かせて待ってんだろうな。
エレベーターで三階。
着いた先には鉄製の寂しげな扉。
けど、俺がそのまま扉を開くと、中から暖かい空気が迎えてくれた。
小さなテレビの音が耳に届く。
「ただいま」