君が奏でるメロディ ~貴方の瞳に映るもの~


眼鏡かけてんの?



「ねぇ、それ、だて眼?」


『そうだけど?』



そうだけど?じゃなくて。


かける必要ある?


だて眼の人って眼鏡かける意味なくない?


私だて眼鏡の人見てたら腹立つ。


私は目が悪いからそう思うけど…



「はずして」

『はぁ?』

「いいから」



瞬夜は首をかしげながらだて眼鏡をケースにしまった。


それと同時に私はケースから眼鏡を出してかけた。


これで視界がぼやけない。



『お前のって眼鏡?』

「当たり前でしょ?
私、だて眼は嫌いなの」



なんかこんな会話、周りから見たら喧嘩みたいって思われてるのかな…


さっきから視線が痛い。


瞬夜は私の前に座り、鞄から宿題を取り出した。


バイトにまで普通宿題持っていく?



『さっきはごめん』

「わかればいいよ」



決して素直な謝り方じゃないけど。


わかったならいい。



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