君が奏でるメロディ ~貴方の瞳に映るもの~
喧嘩なんて。
『な~に言ってんだよ』
そう言って私の頭に手を乗せた。
『俺を誰だと思ってる』
「はぁ?」
んなの知らないし…
知らない?
そういや瞬夜の中学と私の中学近い方だよね?
よく喧嘩で有名な。
あぁ!!
あの有名な喧嘩番長の桜木!!
聞いた事ある名字だと思ったんだよね。
ずっと別人だと思ってたし。
『わかったみたいだな』
「…」
そんな人の隣にいるなんて…
しかも会話までしてる。
いいのかな?
『俺は殴られた事ないし、殴りかかってきても、避けてるし』
すると両腕を見せた。
半袖の袖から見える腕は、傷1つなかった。
「本当に傷跡ないの??」
『なんならしっかり見てみろ』
私は瞬夜をじっくり見た。
傷跡なんてなかった。
かすり傷さえも。