常冬の青春に恋をした!?
握り締めた拳を、

相手のがら空きの鳩尾に叩き込もうとした。

その時。



「何をしている」



祭りの熱気の中でなお、

涼やかに響く声が耳に届く。

いつの間にか集まっていた野次馬の間から、

藍色の浴衣が現れた。

ピンと背筋を伸ばす姿は浴衣の効果か、

いつも以上に凛とした印象を彼女に与えている。


・・・・が。


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