常冬の青春に恋をした!?
視線をさまよわせると、

背後からパタパタとずいぶん軽い足音がした。

「あおちゃん、だいちゃんがかえってきたって・・・・」
 
甲高い声が途中で途切れる。

振り返ってみると、

小さな女の子が立ちつくしていた。
 
知らない人がいるせいか、カチリと固まっている。

「ああ、ただいま柚芽。おいで」

いつもより若干やわらかな口調で、

碧葉が手招きする。
 
柚芽と呼ばれた女の子は、

俺を大きく迂回して碧葉に抱きついた。

そして巣篭りウサギのように、

じっと俺を見ている。
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