常冬の青春に恋をした!?
「ぐふぅ!!」

ささやかな幸せに浸っていると、

向かいの席で綾香が苺牛乳を吹き出した。

──なんだいきなり。むせたのか?

「・・・・」

黙ってティッシュを差し出すと、

そのまま筑前煮に取りかかる。

「あ、ド、つ!」

ツルツルと逃げるこんにゃくの捕獲に

手間取っていると、綾香が意味をなさない

言葉を発した。

「アドツ?――ああ、

『あんたが、同学年、付き合う』か?」

周りでこの騒ぎを見ていたらしい数人から

『何故分かる』と驚愕する気配を感じるが、

だてに幼馴染みはやっていない。

何せ人生の半分以上を共有しているのだ。

舐めるでないぞ。

「その通り!で、相手は誰?」

・・・・綾香よ、輝いているな。

これが年頃の女子の輝きか。

それにしても眩しいぞ、

LEDライトでも仕込んでいるのか?
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