常冬の青春に恋をした!?
すれ違いは突然に
「あ゛~痛・・・・」
「自業自得だ」
水族館からの帰りの電車でうっかり寝てしまい、
最寄り駅についてもグースカ爆睡していた俺は、
碧葉の容赦ないデコピンの餌食になった。
もの凄くいい音がしていたから、
まだデコは赤いままだろうな。
「よーくんへーき?とんでけする?」
碧葉と手をつないだ柚芽っちがこちらを見上げる。
本当に良い子だよな・・・・
「サンキュー柚芽っち!」
「キャー♪」
お礼として高い高いをしてやると、
嬉しそうな笑顔を全開にする。
「せっかくだし、碧葉ん家まで送るよ」
「お前の家はどこだ」
柚芽っを抱えながら言うと、
碧葉は首を傾げた。
「そこの・・・・小森公園の近く」
小森公園とは、
小さいながらも人工の滝と池がある
緑に溢れた公園だ。
「そうなのか?」
家の場所を聞いた途端、
碧葉の声音が高くなる。
どうして驚く?