常冬の青春に恋をした!?

その人はじっとこちらを・・・・いや、

碧葉を見つめ、訝しそうな表情が

徐々に笑顔に変わっていく。

「えっと。碧葉、知り合い・・・・」

言葉の最後は声にならなかった。

振り返って見た碧葉から・・・・


表情が、消えていたんだ。


顔を強ばらせた碧葉は、

ただこちらに近づく女の人を見ている。

「やっぱり碧葉だ。

暫く見ない間に、

なんていうか、

大人っぽくなったね」

「・・・・穂乃佳(ほのか)」

口から零れたような感じで、

碧葉がその人の・・・・

穂乃佳さんの名を呟く。

嬉しそうに、はにかむように

微笑む穂乃佳さんとは対照的に、

碧葉はギッと眉間に皺を寄せた。



そして。


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