常冬の青春に恋をした!?
あの日、
碧葉が引きちぎってしまったペンダント。
くすんだ金色のチェーンの
先についていたのは、
葉の形をかたどった組木細工だった。
いつも着けてたんだから、
大切なものなんだろうな・・・・
返したいけど、
あの剣幕でまた何か言われたら・・・・
「うぅ~」
「あぁ、もう。
初恋だからってウジウジしすぎだって。
ここまで来たら当たって砕けろ!」
唸っている俺を見かねてか、
修輔がビシリと指差した。
でも。
「は?初恋って・・・・
俺彼女いたことあるぞ」
「でも本気で好きじゃ
なかったんだろ?
だから今こんなに戸惑ってる」
「・・・・」
確かにそうかも知れない。
今までの奴らだったら
怒っても拗ねても放っておいた。
むしろべたべたする奴が
いなくなって清々したと
思ったくらいだ。
でも今は、
このまま別れることになったら
どうしようと思うくらい
不安で一杯になってる。