常冬の青春に恋をした!?

「あらぁ、陽太。

ご飯いらないって聞いたけど?」

階段を駆け下りると、

リビングから母さんが顔を出した。

「いや、碧葉の妹が居なくなったから、

ちょっと行ってくる」

靴に足を突っ込みながら答える。

「あおば・・・・?ああ、仮彼女さんね。

今度家に遊びに来てもらいなさいな。

母さん、陽太が熱愛してる仮彼女さんに

会ってみたいわぁ」

ぽわぽわとた声でグッサグッサと

言葉の刃を突き付ける。

仮仮言うなよっ!

事実なだけに辛いから!

つーか熱愛って何!?

否定はしないけど!!

じわりと目元が熱くなったが、

それを振り払って外に出る。

だが追撃をかけるように、

玄関が閉まる瞬間

「以前のあの子からは考えられないわぁ~」

と言う声が。



――ああ、もう何とでも言ってくれ!!


< 264 / 313 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop