常冬の青春に恋をした!?
「あらぁ、陽太。
ご飯いらないって聞いたけど?」
階段を駆け下りると、
リビングから母さんが顔を出した。
「いや、碧葉の妹が居なくなったから、
ちょっと行ってくる」
靴に足を突っ込みながら答える。
「あおば・・・・?ああ、仮彼女さんね。
今度家に遊びに来てもらいなさいな。
母さん、陽太が熱愛してる仮彼女さんに
会ってみたいわぁ」
ぽわぽわとた声でグッサグッサと
言葉の刃を突き付ける。
仮仮言うなよっ!
事実なだけに辛いから!
つーか熱愛って何!?
否定はしないけど!!
じわりと目元が熱くなったが、
それを振り払って外に出る。
だが追撃をかけるように、
玄関が閉まる瞬間
「以前のあの子からは考えられないわぁ~」
と言う声が。
――ああ、もう何とでも言ってくれ!!