常冬の青春に恋をした!?

「あ、あおちゃん!」

「柚芽!」

色々な感情がごちゃ混ぜになった

ような顔でこちらに駆け寄ろうとした

碧葉が・・・・

倒れた。

一歩踏み出した体勢のまま、倒れた。

もうこれ以上ないってくらいの唐突さで、

倒れた。

―あっぶねえぇぇぇぇ!

咄嗟に腕を伸ばして抱き留めたから、

地面に顔面直撃は回避された。

「えっ、ちょ、碧葉!?」

ガクガク揺さぶるが、

碧葉はグッタリとしたまま

「う゛ぁ゛~~~」

と地の底から響くかの如く呻くだけだ。

右手に柚芽っち、左手に碧葉。

一体どうしたら良いんだ・・・・

途方に暮れてあたりを見渡すと、

前方からライトの光が見えた。

あの速さならバイク、

原チャリか?・・・・いや、違う!

キキキー!

悲鳴のような音を立てながら目の前で止まったのは・・・・




ママチャリだ!
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