常冬の青春に恋をした!?

「熱あるんだからそのまま寝てろって」

思わず碧葉の額に手を当てて

そのまま布団に押し戻した。

「冷たいな、お前の手」

「え、ああごめん。氷枕持ってたから」

「ん、気持ちいい」

目を閉じてフッと息を吐く碧葉。


――そうか、熱が出ると大人しくなるのか。

というか碧葉ってまつげ長げーなー。

でも寝間着にでっかく“侍魂”って

書かれたTシャツ着るのは

どうかと思うぞー。


・・・・すみません、

そうやって現実逃避しないと

可愛すぎてどうにかなりそうなんです。


左手に持っていた氷枕を

ミシミシという音が出るくらい

握りながら言い訳していると、

もぞりと碧葉が動いた。


「・・・・手が熱くて、

気持ち悪くなってきたんだが」



・・・・・・・・・・・・やっぱり熱が出ても

碧葉は碧葉だった。


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