常冬の青春に恋をした!?
「・・・・いや、実に有意義な試合でした」
「そうか、それは何より。
だがな、あれだけの人の前で
今までにない恥をかかせ、
結局勝つ事ができぬとは・・・・
馬鹿馬鹿しすぎて笑えるな」
はははははは。
無表情で機械的に笑う碧葉。
――マジで今日が命日になるかも知れない。
「いや・・・・好きな人を思う気持ちが
あればなんでもできるって
思ったんだけど・・・・」
ひたすら小さくなる俺を、
笑いを納めた碧葉がじっと見つめてくる。
「もしそれが本当なら、
やはり恋愛なんてくだらないな」
「・・・・」
そう言われて、思わず拳を握り締める。
俺と碧葉は、
あくまでもお試し期間としての付き合いだ。
恋愛に興味を持たせる事を条件に
付き合ったんだから、
もう別れる事になるかも知れない。
「でも・・・・碧葉を好きって気持ちは本物だ」
別れる事になるかも知れないけど、
これだけは伝えておきたい。
覚悟を決めて目を閉じ、
引導が渡されるのを待つ。
耳が痛いくらいの沈黙が流れ・・・・
やがて碧葉の声が耳に届いた。