常冬の青春に恋をした!?
俺は残りのパンを口に詰め、

咀嚼するふりをして碧葉の最後の

セリフをごまかした。

碧葉のことを知るまで、

俺はお世辞にもいいとは言えない奴だった。


声を掛けられて付き合った女の数は

両手両足じゃ足りないくらい。

初めに付き合った奴の顔なんて、

正直もう覚えていない。


付き合いはするけど長続きしないんだ。

原因は、初めはしおらしくしているけど、

時間がたつにつれて自己主張が激しくなる

女に嫌気がさしてくるせい。


結局あいつらは、見てくれのいい彼氏が

欲しいだけなんだ。

かっこいい彼氏は自慢になる。

自分を引き立てるアクセサリーの一つと

思っている。

そういう考えを持っているのは、

自分がかわいいと思い込んで

似合いもせずに飾り立てている女ばかり。


だから、俺はブリッコで、

化粧が濃くて喧しい女が嫌いなんだ。

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