常冬の青春に恋をした!?
その後、俺がくだらない話をして

碧葉がそれに突っ込みを入れながら

階段を下りていく。

すると、ある踊り場の掲示板の前で

碧葉が立ち止った。

「どうした?」

「・・・・もうそんな季節か」

たぶん、俺の質問に答えたんじゃない。

 無意識に呟く碧葉が見ているのは、

明日行われる夏祭りのポスターだ。

「オー今年も祭りがやって来たか。

碧葉は毎年行ってんの?夏祭り」

そう聞くと、碧葉の肩が一瞬こわばった。


──え?

見間違いかと思ってもう一度見ようとすると、

碧葉はギクシャクとした動きで俯き、

首元に手を伸ばす。
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