常冬の青春に恋をした!?
 おんぶ爺かよ!!

「だー、暑苦しいっ」

「ゴフゥ」

思いっきり頭をのけぞらせて

圧し掛かってくる相手の顔に

後頭部をぶつけてやる。

するとおんぶ爺、もとい修輔が

鼻を押さえてゴロゴロと床を

転げまわっている。

──ざまあみろ。

フン、と鼻を鳴らすと、

俺のすぐそばを人影が走り抜けた。

「キャーっ、シュウ大丈夫?」

床に伸びた修輔に駆け寄るのは、

さっき碧葉のねーちゃんに情報を漏洩した

最有力候補と言われていた綾香だ。

彼女は修輔の側に膝をつくと、

肩を掴んで揺すっている。
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