BE MY ANGEL
昼食を済ませ、駅に向かって駒沢通りを二人で歩いている時だった。


横断歩道を渡ろうとした時、向かい側にいた男が声をかけてきた。


「オレのこと覚えてるか?」


その目はまっすぐに美姫を捕らえていた。


茶髪のふわふわした髪、猫みたいな瞳で人懐っこい笑顔を浮かべていた。


身長は170cm位で細身。


Tシャツの上に赤いチェックのシャツを羽織って、黒いスキニージーンズを履いていた。首にはストールを巻いている。


まるで美容師みたいな成りをしていた。


私はあらかた新手のナンパか、もしくは美姫に以前告白した誰かだと思っていた。


言われた美姫もその男をじっと見据えた。
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