BE MY ANGEL
室内に土足で上がり込んできた男達は、敬子の両手をガムテープでぐるぐる巻きにしてから部屋の中を物色していた。


敬子の手から印鑑が奪われた。


「何にもねぇな」


一人の男が呟いた。


もちろん和久も敬子も宝飾品や貴金属なんて持っていなかった。


「あ、通帳はっけーん」


もう一人の男が叫んだ。


通帳は寝室のベッド脇の棚の中に入れてあった。


「すっげえ、1千万もある!」


そして敬子の元へスタスタとやって来て、


「暗証番号教えろや」


とナイフで脅した。
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