BE MY ANGEL
敬子は目の前のナイフにガタガタと震えながら、男に銀行の暗証番号を告げた。


不測の事態に備えて銀行には十分過ぎる預金があった。


男達によって部屋がどんどん荒らされていく。


どうして私がこんな目にー。


「1万円はっけーん」


敬子の財布の中の1万円も奪われた。


お金だけならいい。


お金ならあげるから、どうかそのまま何もしないで帰って欲しい。


それが敬子の唯一の望みだったのに、男達は顔を隠していなかった。


これから自分を襲うであろう恐怖に耐え切れなくて、敬子は体中を震わせていた。
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